生産性を高めたい

生産性を高めるための環境作り
いつ頃からかはっきりとは覚えていませんが、気がついたら、仕事を回すのがドンドンきつくなってきました。
若い頃は「講義準備と大学校務をそこそここなして、後は全部研究時間にする」という大雑把な時間管理でなんとかなっていたのですが、最近は時間を作るということを意識しないと、あらゆる仕事がどんどん後ろ倒しになってしまいます。
仕事を安請け合いしたり、ありがたい事に外部から様々な依頼をさせるようになったという理由もあるのですが、年齢に伴って仕事へのスタンスが変わったり、家族(特に子供)に時間を使う必要があるという要因が大きいです。
忙しい生活をしていると「なぜ過去の自分はこんな事をしたんだろう?」とか「どこかにメモをした気がするけど、どこにあるのかも内容もはっきりしない」みたいな事が増えてきました。こちらも年齢と脳みその性能もあるのかもしれませんが、やはり自分が処理できる以上の情報を入れているのが根本原因だと思います。
この状況を打破するために、「時間管理」とか「生産性」とか「情報整理」みたいなトピックの本・情報を集めて、自分なりに生産性を高める方法を模索するようになりました。まだまだ発展途上ではありますが、せっかくなので自分なりに理解したことをシェアしようと思います(あと、アウトプットをすると自分の頭の整理ができるので)。
数回にわたって、自分なりに生産性を高めるために試行錯誤した記録をまとめていきます。心構えとか時間管理術ではなく、「こういったアプリやツールを使って自分の生産性を高めています」という体験談です。
研究者向けとかビジネスパーソンに特化した方法というわけではないので、大学生にとっても役立つ情報はあると思います。
色々な本を読み漁って自分なりに理解した大切な点を大雑把にまとめると、
- “ふと思いついたアイディア"や"やらないといけない事"は、どんどんTo DoアプリやNotion、紙のメモなどに書き出して、自分の脳内のワーキングメモリーを確保しておく。
- このタイミングで細かい分類とか整理は必ずしも必要ない(すぐに分類が出来るならしても良い)。
- 重要なのは脳の外に出すこと。
- メモに書き出すまでもなくすぐにできそうなら"すぐにやる”。
- 具体的な方法は後ほど。
- 1〜2週間に1回程度、レビューの時間を作って、溜まった"やるべき"ことや覚え書きメモを整理して、これから何をどういう手順で進めていくかを再構築する。
- 「ここに必要な情報は全部まとまっている」という"場"を作る。
- Notionがオススメだけど、別になんでも良い。
- 最近はAIとか検索の性能が強力なので、完全に整理されていなくても検索でなんとかなる。
- もっと前から実践しておけばよかったと後悔。昔の情報はメールの履歴やHDD/SDDの"どこか"に散在。
- 完璧な整理術なんてないし、他人のやり方をそのまま自分の生活に適応するのは無理。なので、自分の仕事・生活スタイルにあったやり方にアレンジは不可欠。
なにか見たことがあるな、と思った人もいるかも知れませんが、当然私のオリジナルではなくて色んな本を読んで自分なりに解釈した結果なので、色んなものが混じっています。オリジナルにあたりたい人向けにお勧めの本を挙げておきます。
お勧めの本
いずれの本でも当てはまることですが、一回読んだだけ劇的になにかが変わることは無いと思います。タスク管理やそれによる生産性向上は、人によって向き不向きや、個人のライフスタイルによって左右されるからです。
ポイントは、うまくいかなかったら諦めて別の本・やり方に移るのではなく、最初のうちは頻繁に自分の生活や生産性を振り返って、どうやったら自分の生活スタイルに落とし込めるかを模索しつづける事です。今まで継続してきたやり方を変えるのは誰にとっても苦痛です。どんな方法であれ、トライアル&エラーを繰り返しながら、自分なりのライフスタイルにあった方法にアジャストさせる必要があります。
- デビッド・アレン『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』二見書房
- ティアゴ・フォーテ『SECOND BRAIN 時間に追われない「知的生産術」』東洋経済新報社
- この2冊は強くお勧めです。これから書いていく雑文も基本的にこの2冊で学んだことを自分なりに理解したものになります。
- ダグラス・C・メリル&ジェイムズ・A・マーティン『グーグル時代の情報整理術』ハヤカワ新書
- かなり古い本なので、今読むべき本としては優先順位は低いです(あと入手が困難かも)。著者は元Google社のCIOで、Googleを使いながらいかに情報を整理するかを解説しているのですが、2009年の本なので現在であれば別の方法のほうが良いケースは多々あります。ただ、自分のここ10年くらいの仕事の仕方は基本的にこの本で学んだことを実践してきたもので、すごく影響を受けたのであえて書きました。例えば、この本を読む前は「メールはOutlookやThunderbirdで受信をして、後で困らないようにフォルダに整理する」みたいな事をしていました。この本を読んだ後は、全ての連絡はGmailに集約して、ラベルでメールを管理しています。明らかに不要な広告メールやスパムを除いて、基本的に仕事のメールは全てアーカイブに残っていて、大昔の添付ファイルも残してあります。さすがにGoogleドライブの容量が足りないので有料プランを使っています。
- 高嶋美里『あなたの1日を3時間増やす超整理術』
- 内容的には1や2と重複しますが、概念的な事よりも具体的に「こうしましょう」というやり方を懇切丁寧に書いてくれているので、とても読みやすいです。手っ取り早く結果を得たい人にお勧め。ただ、この本をすべて真に受けるとワーカホリックになりそうなので、前半だけ読めば良いかも。
- ズンク・アーレンス『TAKE NOTES!』日経BP
- ツェッテルカステンというメモ術に関する本です。まんまこの方法を取り入れているわけではありませんが、普段生活していてふと思いついた「これをしたら面白そう」とか「あれがやりたい」とか「研究のアイディア」みたいな事を忘れずに残しておいて、今後につなげるためのメモ管理方法がなにかないかなと感じている人には役立つと思います。
- 牛尾剛『世界一流エンジニアの思考法』文藝春秋
- エンジニア向けの本ではあるのですが、仕事への向き合い方全般に役立つことが書かれているので、誰ででも参考になります。前半がエンジニア向けのテクニカルな事が多めで、後半がそれ以外の一般の人にも汎用的な知識という感じなので、前半の専門用語多めの箇所は流し読みで良いかも。